【 顔面神経麻痺と鍼灸 】
顔面神経まひとは?
顔の半分がまひして思いどおりに動かなくなります。
顔は20以上もの筋肉表情筋を動かして表情を作りますが、それができなくなってしまいます。
表情が作れなくなる以外にも、顔のさまざまな感覚の器官に問題が起きることがあります。
ろれつが回らない、うまくしゃべれない
うがいができない、
口がうまく閉じられず食べ物や飲み物がこぼれてしまう、
小さな音がうるさく感じる(聴覚を調整する筋肉のまひによる)
また外見の変化が気になり外出できなくなり、
うつ症状を発症する場合もあります。
原因は?
脳梗塞や脳出血の後遺症が原因になるものもありますが、
これは顔面神経まひの原因の一部に過ぎず、大部分はウイルスが原因になります。
顔面神経麻痺で最も多いのは「ベル麻痺」と呼ばれるもので半数以上を占めています、次に多いのが「ハント症候群」です。
このどちらもウイルスが関与しています
ウイルスは主に、
単純ヘルペスウイルスや帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルスなど、
他にもさまざまなウイルスが顔面神経に炎症を起こすことでまひが起きます
どんな人がなりやすい?
日本における患者数は年間およそ5万人と言われています
発症年齢は、高齢者だけではなく若年者もなり、いつ誰がなってもおかしくない疾患です。
ウイルスは免疫機能が低下したときに活性化する性質があるため、免疫機能が低下した時に発症しやすくなります。
日頃から免疫機能が低下しないようにすることも大切です。
また糖尿病がある方も顔面神経まひを併発することがあり注意が必要になります。
顔面神経まひは近年増えてきています。
異変を感じたら早めに病院(脳神経内科、や耳鼻科でも診察可能)を受診されてください。
治療は?
主にステロイドを使って治療をします。
神経の腫れや炎症を抑え症状を改善していきます。通常1週間から10日くらい服用して効果を確認します。
神経線維のダメージが大きいとステロイドの効果があまり期待できなくなるため、早めの服用が重要になります。
目が閉じられなくなり、開いたままの状態になると
乾燥して角膜も傷つき、角膜炎になりやすくなるため
眼帯や目薬で目の乾燥を防ぐことも必要になります
マッサージはしても良い?
マッサージも正しいやり方で行えば、
早期回復や後遺症の予防が期待でき効果的です
やり方は主に表情筋のマッサージとして、頬やあごの横を手のひらや指先で優しくもみほぐします
また頬の内側に指を入れて親指と人差し指で頬をマッサージする方法もあります。
マッサージを行う上で大切なのは、
一度に長い時間おこなうのではなく、1回あたり5分ほどを、1日に何回か行うのが効果的です。
蒸しタオルで顔を温めてから行うと効果的です。
やってはいけないこと
早く改善したいからと、口を強くかみしめるたりら目を強くつむるなど、顔を無理に動かすことは避けるようにしてください。
これは、神経回復の過程で過度な刺激は、目の筋肉とつながっていた神経が誤って口の周りの筋肉とつながってしまうことがあるからです。
もしそうなると回復した後に、
口を動かすたびに目も一緒に動いてしまうという現象(病的共同運動)が起こってしまう可能性があるからです。
まひの場所によって必要なマッサージなどリハビリの方法が異なりますので専門家の指導を受けてから行うようにされてください。
顔面神経麻痺の鍼灸治療
顔面神経まひの多くを占めるベル麻痺は鍼灸治療を併用することで早期の回復がとても期待できます。
当院でもいままでに多くの患者さんが改善されました。
症状が現れたらなるべく早く、特に最初の1、2か月は回復に最も重要な期間となり鍼灸治療を行うことで治りも早くなります。
すこしでも早く治療を受けるようにされてください。
鍼灸に関することお気軽にお問い合わせください