【 シェーグレン症候群と不妊鍼灸 】
シェーグレン症候群とは?
涙腺や唾液腺の臓器特異的自己免疫疾患です。
全身性の臓器病変を伴う全身性の自己免疫疾患でもあります。
症状は?
膠原病の合併がない、
原発性シェーグレン症候群と
他の膠原病の合併がある、
続発性シェーグレン症候群
によって大きく変わります。
(膠原病は関節リウマチ、SLE全身性エリテマトーデス
強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎、血管炎などです)
原発性シェーグレン症候群では、
眼の乾燥(ドライアイ)や、口腔の乾燥(ドライマウス)などが主な症状となります。
また、関節痛や疲労感などが現れることがあります。
この他、甲状腺、肺、肝臓や腎臓等の臓器に
自己免疫による障害が生じることもあります。
続発性シェーグレン症候群では、
これらの症状の他に、
合併している膠原病の諸症状が現れます。
どんな人がなりやすいの?
男女比は1:17人で、女性に多く発症します。
関節リウマチなど膠原病の患者さんにも発症することがあります。
シェーグレン症候群と不妊の関係
シェーグレン症候群と不妊の因果関係については、
現在まだはっきりした結論は出ていない状況です。
当院の患者さんでもタイミング自然妊娠で
授かり出産された方は多くいらっしゃいます。
シェーグレン症候群では
子宮の乾燥による不妊(着床障害)が
起こる可能性は指摘されています。
またシェーグレン症候群の約20%に
膣乾燥を生じ、この乾燥により性交痛
を生じるようになったという方もいます。
ただし性交痛につきましては、
エストロゲンなどホルモンの影響も考えられますので
まずは専門医を受診されて下さい。
シェーグレン症候群とストレス
シェーグレン症候群の症状は、
ストレスと関連して悪化することがあり、
また疲労感と一緒にうつ症状が出やすいことも知られています。
ご自身でできるケアとしては、
リラックスする時間を持ち、ストレスを軽減
することも重要です。
例えば、趣味や深呼吸などをしてみるのも良い方法です。
当院の患者さんでも初診時は、
疲労感や疲れやすさ不眠を訴える方は多く、
採卵した卵も成熟卵が取れない方が多くいらっしゃいます。
シェーグレン症候群で不妊に悩まれる方の多くの問題は、
「卵胞が育ちにくい」「卵の質がよくない」
という事です。
これは東洋医学的にも、
エネルギー気の不足により、
卵胞の発育に影響を及ぼしやすくなり、
採卵をしても成熟卵にならない、
なかなか受精しなく胚盤胞まで成長しない
ということになります。
この場合でも、鍼灸治療により
気を補いお身体を整えることで
卵胞が育ちやすくなり、質の良い卵になっていきます。
これは卵巣で育っている卵胞が栄養を受けて
育ちやすくなるためです。
シェーグレン症候群の鍼灸治療
シェーグレン症候群の治療は、
シェーグレン症候群を治すというものではなく、
症状の改善緩和に向けて治療をしていきます。
鍼灸治療で血流循環を促すことで
目や口腔の乾燥が軽減される方は多くいらっしゃいます。
またストレスにより症状が悪化することがありますが、
当院では経絡を整える鍼灸治療で
自立神経のバランスが安定し、
お身体と気分がとても穏やかになり、ホルモンバランスも整い
妊娠体質のサポートになります。
当院の鍼灸治療は抗炎症処置も行いますので、
関節炎や子宮内膜など粘膜におこる炎症の改善
も期待できます。
お体の持つ抗炎症ホルモンのサポートによる効果です。
鍼灸のことお気軽にご相談ください
シェーグレン症候群の患者数
1993年に行われた厚生省の調査では、
年間受療患者数17,000人でした。
しかし患者数は次第に増加しており、
2002年では年間78,000人となっています。
この数字は諸外国よりは低く、診断がされていない
潜在的な患者さんがいるのではないかと言われています。
専門医の間では推測患者数は30万人以上ともされています。
シェーグレン症候群の患者さんで
慢性的な疲労感を訴える方が約80%います。
これは他の自己免疫疾患と比べても明らかに高い値で、
シェーグレン症候群と慢性疲労との間には
大きな関係があると考えられます。
シェーグレン症候群の患者さんで関節痛を訴える方は約60%あり、
これもかなり強い関係があると考えられます。
多くは複数の関節が痛む症状が現れます。
しかし、関節の破壊、骨変形などの関節リウマチに見られる
重症病変になることはありません。
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